この記事のもくじ
JR東タッチレスゲート改札を開発した企業はソニー?どんな技術(仕組み)か?
共同通信の記事によれば、JR東日本がSuica(スイカ)をかばんから出さず、改札機にタッチせずに乗客が通過できる「タッチレスゲート」を2~3年後に導入する方向で検討中ということです。
カードケースからも出さなくていいということで、便利になりますね。
Suicaがでてきたときは、「なんて便利なんだ!」と驚いたものですが、今ではあのカードケースをかばんから出す動作ですら地味に面倒くさいですよね笑
この話題のJR東タッチレスゲート改札とはどんな技術でどのような仕組みなのか、また開発した企業がどこなのか、調べてみました。
JR東タッチレスゲート改札を開発した企業はソニー?
共同通信の記事では、どこの企業が「タッチレス改札」を開発したとは記載されていませんでした。
しかし、僕は「TransferJet(トランスファージェット)(登録商標)」というソニーが2008年に発表した無線通信技術がこのJR東タッチレスゲート改札に採用されたのではないかと考えています。
ソニーは2017年に日本無線、NTT、東芝らとの「トランスファージェットコンソーシアム」で、10ギガ(ギガは10億)ビット/秒を超える近接無線通信規格「IEEE802.15.3e」の規格化を完了させたと発表しています。
そしてソニーは「TransferJet(トランスファージェット)」の通信ICを製品化して家電での普及促進を図っていました。
しかし、結局、デジタルカメラメーカーやプリンターメーカーが選んだ無線通信手段は無線LANで、トランスファージェットは家電にはほとんど採用されませんでした。
そこでソニーは方針を転換し、家電ではなく鉄道の改札機の他、コンビニ店舗の出入り口などのB to B分野を狙ったというわけです。
そして2年前の日経BPの記事に
「ソニーの近接無線が再始動、JR東と次世代改札機を試作」
というものがあり、これに載っている「タッチレスゲート」のデモがちょうど今回のJR東タッチレスゲート改札の発表のものと似ているなと思いました。
そのため上記したように、僕はソニーの「トランスファージェット」がJR東タッチレスゲート改札に採用されたのかなと思ったというわけです。
JR東タッチレスゲート改札はどんな技術
上記の日経BPの記事によれば、ソニーの「トランスファージェット」の場合、改札の出入り口の上方に、開発したアンテナが設置され、地面に向かって指向性が高い電磁波を照射して「ゾーン」を形成するというものです。
そして改札に入るユーザがたとえばかばんの中にスマホ(※モバイルスイカのようなもの)が入っていたとして、このユーザが「ゾーン」に入った瞬間に上方のアンテナとスマホとのデータが送受信されます。
これにより、ユーザは改札機にスマホ(※モバイルスイカみたいなもの)をかざすといった操作をすることなく、単にこの「タッチレスゲート改札」を通過するだけで、電車料金の精算が完了する「タッチレスゲート」が実現できるというもののようです。
なお、JR東日本の試作機では、ユーザがスマホ(※モバイルスイカみたいなもの)を手に持ったままタッチレスゲート改札を通過してもちゃんとアンテナとスマホとのデータが送受信できたとのことです。
いやいや、これが実用化されたら、とても便利になりますね。
なお、この「トランスファージェット」の規格は、とにかく通信開始までの時間が短く、かつ通信時のデータ伝送速度が速いことが特徴です。
なので、上記したような単なる「タッチレスゲート改札」というだけでなく、特急券のデータや予約した座席の案内、さらに電子コンテンツなどを端末(スマホなど)へ配信することも想定しているようです。
JR東タッチレスゲート改札のソニー特許は出ているの?
「トランスファージェット」の特徴である通信開始までの時間が短く、かつ通信時のデータ伝送速度が速いことを実現するために、ソニーはアンテナも開発しています。
しかも上記の日経BPの記事によれば、ソニーは「トランスファージェット」のIP(知的財産)を開発しているということです。
IP(知的財産)を開発するという言い方は通常はあまりしないですが、さすがソニーさんですね。
調べてみたところ、ソニーは多数の近接無線通信の特許を出願しており、今回の「タッチレスゲート改札」に関連するところでは以下の特許出願などがありますね。
この特許出願では、「タッチレスゲート改札」を通過するユーザに端末(スマホなど)を介して、駅の周辺で販売される商品のカタログや駅の周辺のタウン情報等のコンテンツを送信するための発明のようです。
ここでは紹介しませんが、近接無線通信などのキーワードでソニーの特許出願を検索すると、多数の特許出願がヒットします。
IP(知的財産)を開発しているというだけあって、ソニーはこの分野の特許出願を強化しているわけですね。
本記事のまとめ(タッチレスゲート改札、ソニー「トランスファージェット」の将来)
以上、JR東タッチレスゲート改札を開発した企業やJR東タッチレスゲート改札の技術内容、さらにソニーの「トランスファージェット」について説明しました。
これが実用化できれば、このタッチレスゲート、あるいは「トランスファージェット」は単に駅の自動改札機への適用にとどまらないと思われます。
空港や博覧会などの入場ゲートにおけるセキュリティーへの応用など、様々な適用先が考えられますよね。
なんでしたらソニー、日本無線、NTT、東芝らとの「トランスファージェットコンソーシアム」で世界にPRして売っていく技術として頑張っていただきたいものですね。
ちなみにソニーはIP(知的財産)を開発しているということでしたが、これで「トランスファージェット」を独占しようとしたら、普及するはずがありません。
なので、個人的にはIP(知的財産)についてはオープン戦略を取ることが望ましいのかなと思いましたね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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