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知財部はどのように特許を取得するの?特許取得までの手続(拒絶理由、拒絶査定)
こんにちは。
企業内弁理士のタクパパです。
知財部や特許事務所で働いていれば当然、分かる手続なのですが、特許出願を依頼する側の方はなかなか特許取得までの手続がなかなか分かりにくいみたいですね。
「特許出願を依頼する側の方」というのは、たとえば企業の開発部の発明者のことです。
特に特許出願の手続は知財部にお任せである場合や、そもそも知財部が企業内になく、社外の特許事務所に特許出願手続をお任せにしている場合には、特許の手続に詳しくなることは普通はないと思います。
特許出願自体はなんとなくわかっていても特許出願後の手続もなかなか複雑なので、この手続を知る機会はおそらくあまりないですよね。
なので今日は、この特許を取得までの手続をできるだけ簡単に説明しますね。
特許を取得までの手続のパターンとしては基本的には↑の図の3パターンがあるので、これについて説明していきます。
特許取得手続パターン①(特許出願→出願審査請求→特許査定)
特許出願後、その特許を取得したければ、必ず出願審査請求という手続が必要となります。
出願審査請求とは要は審査官に
とお願いする手続ですね。
この①のパターンというのは、特許出願人が出願審査請求をして、審査官が審査をしたところ、一度の拒絶理由通知もなく、あっさりと特許査定を出してくれたというものです。
いわゆる一発特許査定というやつで、一番簡単でもちろん費用も一番安いです。
ただ一発特許査定は、特許庁のデータによれば2018年で出願審査請求をした特許出願のうち15%くらいのようなので、あまり多くはないですね。
通常、特許出願をする際には可能な限り、権利範囲の広い特許の取得を狙って、「特許請求の範囲」を記載しますので、なかなか一発特許査定は出にくいです。
特許取得手続パターン②(特許出願→出願審査請求→拒絶理由通知→手続補正書・意見書提出→特許査定)
上記したように一発特許査定はあまりなくて、この拒絶理由通知を受けるのが大半のパターンですね。
拒絶理由というのは特許庁の審査官から、たとえば
という特許出願へダメ出しされるというものです。
進歩性というのは、その発明は簡単に考えられるから、そんなしょぼい発明には特許は与えませんというものです(相当ざっくり説明するとですが)。
発明の内容は「特許請求の範囲」という書類に記載しているので、この「特許請求の範囲」を補正するための手続補正書を提出し、さらに
といった内容の「意見書」を審査官に提出します。
そして審査官がこの「手続補正書」、「意見書」を読んだうえで、
と思ってくれれば、晴れて特許査定となるわけですね。
なお、ここでは細かい話はしませんが、この拒絶理由通知への対応はかなり弁理士の腕が問われるところなんですね。
特許取得手続パターン③(特許出願→出願審査請求→拒絶理由通知→手続補正書・意見書提出→拒絶査定→拒絶査定不服審判→特許審決)
「手続補正書」、「意見書」を提出するところまではパターン②と同じですが、拒絶査定になったということは、審査官が「手続補正書」、「意見書」を読んでも
と思わせてしまったということですね。
拒絶査定に対しては前回の記事で説明した拒絶査定不服審判を請求するしかありません。
拒絶査定不服審判を請求する際には、拒絶理由通知のときと似ていますが、やはり「手続補正書」を提出して「特許請求の範囲」を補正することが多いですね。
さらに「審判請求書」という書類で、↑で書いた「意見書」と同じように
と主張することが多いです。
ただ「審判請求書」を読むのは審査官ではなく、審判官という審査官よりも偉い方になります。
ちなみに拒絶査定不服審判を請求する際に「特許請求の範囲」を補正するということは、審査官の拒絶査定の判断を妥当だと考えているということです。
しかし、
と「審判請求書」で主張し、「特許請求の範囲」は補正しないということもありますね。
いずれにしても審判官が「審判請求書」や補正をしていれば「手続補正書」を読んで
と思ってくれれば、晴れて特許審決となるわけですね。
本記事のまとめ
知財部にとっての特許の年金の期限管理
本記事のまとめ
特許を取得までの手続のパターンとして基本的な3パターンを説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
実は特許取得手続パターン②の拒絶理由通知に対し、手続補正書・意見書を提出した後に拒絶査定ではなく、再度の拒絶理由通知がされることもあるのですが、まずはざっくりと理解しておけばいいのかなと思います。
ただ、この拒絶理由通知の回数によって、かかる費用(特に特許事務所にかかる費用)が変わってくるので、本当は細かい手続も知っておいた方が良いです。
また別の記事でそのあたりは書こうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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